冷却系

冷却系

オイルクーラー

 

ターボ車のみ水冷式オイルクーラーが付いている。
ただし、オイルフィルター根元の金属部に接するように設置されているだけでオイルラインとウォーターラインが直接接触するような構造ではなく、あまり高効率なものではない。
オイルからの熱を冷却水に伝導し、暖気の終わっていない状態から水温スムーズに引き上げるヒートエクスチェンジャーとしての役割も持つ。

 

 

 

 

 

 

インタークーラー (ターボ車のみ)

 

純正では左フロントタイヤハウス前に斜めにセットされている。
けして大容量ではないが、NEO6以前のRB25DET純正品より大型化されており、R33などへの純正流用品としての需要もある。

 

チューニングメニューとして前置き大容量インタークーラーへの交換がある。
ルックスに与える影響も大きく、ターボチューン定番ともいえる風潮があるが、雑誌等での「ターボチューンなら交換していて当たり前」のような煽り方も多く、個人的にはあまり感心できない。事実、タービン交換まで行わなければ純正インタークーラーでも充分な容量を持ち、ブーストアップまでなら交換不要と言っているショップも数多くある。

 

前置き大容量化にあたっては、レイアウト変更によるパイピングの冗長化⇒レスポンス悪化、ラジエータへの熱害、オーバーハング重量増大による運動性悪化など、デメリットも多い。 また、冷却性能向上によって空気充填効率が上がり、吸入空気量が多くなるため、ピストン内は希薄燃焼に近づくことになる。当然、エアフロでの空気計測も行っているため、ある程度は学習・補正を行うがやはり純正とは異なる状態のため コンピュータのセッティングを取り直さないのであれば、あまり推奨されるチューニングメニューではない。

 

そもそもインタークーラーとは吸入空気温度の低下により対ノック性をあげ、点火時期を安定して早めることに存在意義がある。点火時期を見直さないのであれば、あまり意義のあるチューンとは言えない。

 

 

 

 

 

 

ラジエーター (ラヂエータ、ラジエータ)

 

純正はアルミ1層タイプ。カルソニックカンセイ製。
AT車は下部にATFクーラーを備えた一体型となっている。
スポーツ走行するにあたっての熱対策では真っ先に挙げられるラジエータ交換だが、水温よりも油温の方が温度変化が激しく、水温は油温に追従するため社外品の空冷式オイルクーラー追加の方が効果は高い。
オイルクーラー追加後にそれでも放熱が追いつかなくなった場合にラジエータ交換を検討すべきである。
(筆者のGT-Tで5分間以上連続定常円周回したが、オイルクーラーがあれば純正品でも油温110℃・水温90℃で安定)

 

 

 

 

 

サーモスタッド

 

●純正開弁温度:82℃ (出典:現物確認、サーモスタッドに刻印あり)

 

エンジン暖気が終わるまでは冷却水がラジエータ循環しないように塞いでおくものがサーモスタッドである。
ピストンクリアランス等、エンジンコンディションが最も適正化されるのは86℃前後で設計されているという。 そのため純正ではその直前から開弁するような温度設定にしているものと思われる。

 

手軽な冷却系の強化としてサーモスタッドを開弁温度の低いもの(いわゆるローテンプサーモ)への交換が行われるが、街乗り程度では水温が適正温度よりも低すぎる状態で安定する(いわゆるオーバークール)状態を引き起こすことが多い。
また、実際の冷却能力が向上するわけではなく(温度上昇にいたる時間を少し延ばすだけ)、根本的な解決にはならないため、特殊な場合を除き筆者は導入をオススメしない。

 

※特殊な事例としては、ドリフトコンテスト等、長い待ち時間の後で一気に高回転まで使用するようなシチュエーション。待ち時間でサーモ開弁温度を下回るとサーモが閉弁してしまい、そのまま高回転まで回すと、開弁しきるまでの間にエンジン内でオーバーヒートに近い状況が起きることがある。
このような場合はサーモをキルするかローテンプサーモへの交換を行うしかない。

 

 

 

 

 

 

ATFクーラー

 

オートマ車ではラジエータと一体化したATFクーラーが存在する。
また、ターボ車においてはさらに空冷式のATFクーラーが装備される。場所はラジエータ前。
取り付けブラケットごと他グレードに流用できることから、ドリフト等パワステを酷使する車体へパワステクーラーとして流用されることも多い。
(ただし、パワステクーラーの効果については明確な効果がないとの実験結果もある)

 

 

 

 

LLC (ロングライフクーラント、冷却液)

 

●純正指定LLC:なし (ディーラーでは PITWORK製を使用している模様)
●冷却水容量:9.4L (うち0.7Lはリザーバタンク容量) (出典:説明書)

 

クーラントの指定は無いが、市販品では赤色のものと緑色のものがある。
日産車は純正で緑を使用しており、緑色のものを使い続けることが好ましい。
(成分が同じタイプであれば他色の混用も重大なトラブルになることはないとされているが、極端に色が悪くなり浮いた錆などの発見がしづらくなる)
上記、浮き錆の視認性の問題もあり、赤色への全量交換も個人的にはオススメできない。
(現に純正で赤色を使用していたトヨタも数年前から鮮やかなピンク色のLLCに切り替えている)

 

 

 

 

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