エンジン

搭載エンジンについて

 

エンジン諸元

 

型式

RB20DE

RB25DE

RB25DET

(参考)RB26DETT

排気量

1998cc

2498cc

2498cc

2568cc

過給機有無

自然吸気

自然吸気

シングルターボ

ツインターボ

圧縮比

9.5

10.0

9.0

-

ボアxストローク

78.0×69.7

86.0×71.7

86.0×71.7

86.0×73.7

最高出力(ps/rpm)

155/6400

200/6000

280/6400

280/--

最大トルク(kgm/rpm)

19.0/4400

26.0/4000

35.0/3200(前期)
37.0/3200(後期)

--/--

 

 

 

特性線図

 

エンジン

 

エンジン

 

※ 本特性線図は筆者がカタログから読み取った値をグラフ化したものであり、日産自動車から提供された正確なデータではありません。

 

 

 

特性

 

元々のRB25は、R31から搭載されているRB20を母体とし排気量を拡大し誕生した物である。
「後期RB25」とも呼ばれる「NeoStraight6」エンジンは、その初期型RB25と基本構造を同じとしながら、油圧ラッシュアジャスターの廃止、ピストン形状見直し・クーリングチャネルの追加等、RB26DETTでの開発経験を生かす形で進化を遂げた。
RB26DETTからの転用技術が多いため、RB26用カムやピストン、クランクシャフト等、流用できる部品は多い。 代わりに前期型RB25とは共用部品が少ないため、前期・後期RB25間での効果的な流用チューニングパーツは少ない。
直列6気筒ならではの優れた回転バランスにより、スムーズな噴け上がりを実現した。
また、2.0L自然吸気〜2.5Lターボエンジンまで、全エンジンをハイオクガソリン仕様とすることで圧縮比を高めに設定し、多気筒車が苦手とされる低速域でのトルクアップを図っている。

 

可変バルタイ機構(NVCS)を備えるため低回転時からのトルクに優れるが、切り替えタイミングで若干のトルクの谷が存在する。(特にRB25DEにおいて顕著である)

 

 

 

 

RB26との比較(ターボ)

 

GT-R搭載エンジンということでもてはやされているRB26の影に隠れがちなRB25であるが、 RB26が絶対的に優れているわけではない。
(筆者はむしろRB25の方が素性としては優れているとさえ考えている)

 

まずはトルク特性。
RB25は全域でトルクフル、RB26は上まで回るが下のトルクが細い。
スロットル周り・インマニ容量等の差もあるが、RB26には可変バルタイ機構が無いことも要因のひとつである。
RB26は出自がレース用エンジンということで、高回転維持を前提としているためトラブルの原因となり得る機構自体を排除したものと思われるが、一般ユースレベルでは可変バルタイの恩恵は大きい。 高回転を維持する大型サーキットではRB26に分があるが、ストップアンドゴーの多いミニサーキットやドリフト等のシーンでは低速からのトルクに優れるRB25に分がある。

 

余談ではあるが、RB26には可変バルタイが無いことへの対策として、後付で機構を搭載するキット(HKS V-camシステム)が販売されていたり、RB25の可変バルタイ機構(NVCS)を移植するメニューをラインアップしているショップがあったりする。

 

次に燃費。
「チューニングカーに乗っているのに燃費を気にするなんてナンセンス」という声も聞こえてきそうだが、長く付き合っていく愛車である。燃費は良いに越したことは無い。燃費で浮いた分で良いオイルを入れたり、メンテナンスにお金を回すことができる。

 

燃費の差の原因としては6連スロットルが主な原因と言われている。
多連スロットルはスロットル後の空気溜りがほとんどなくなるためと思われるが、詳細は調査中。

 

 

 

 

 

1JZとの比較(ターボ)

 

ターボ・NAの両設定がある2.5Lエンジンであり、搭載車種の車格も近いこともあり良く比較されるエンジン。
RB26との比較ではRB25に分があるとさえ考えている筆者であるが、こと1JZとの比較においては弱気にならざるを得ない・・・。

 

まずトルク特性。
最大トルク発生回転数が1JZの方が低いのである。(RB25DET:3200rpm、1JZ-GTE:2400rpm)

 

次にチューン適性の低さ。
RB25は補器類が貧弱であるため、パワーチューンを行おうとするとお金がかかる。
●タービン耐久性(RB25DETは300ps、1JZは370psが目安)
●エンジンガスケット(RB25は紙製、1JZはメタル製)
●エアフロ容量(1JZは余裕があるため350ps程度まではノーマルで充分)
●インテークパイプ取り回し(前置きインタークーラ設置の際、RB25は不自然な取り回しになる)

 

このようにノーマルではともかく、300psを超えるパワーチューンでは1JZに負けている面も多い。

 

しかしながら、アクセルレスポンスについてはRB25の方が優れている。
これはクランクシャフトのバランスウェイトが異なる点が影響している。
RB25は8カウンター、1JZ:フルカウンター。
全てのクランクにバランスウェイトがついているためフルカウンターは重く、レスポンス面では劣る。

 

また、RB26用のカム等、パーツを流用できるためチューンの幅が広いこともRB25の良さである。
(ただし、1JZは2JZの腰下流用で安価に3L化できる通称『1.5J』がある)

 

 

 

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