オイル・フルード類
エンジンオイル
●純正指定オイル:日産 SJストロングセーブX(5W-30)もしくは SHエクストラセーブX(10W-30) (出典:後期説明書)
※2023年現在ストロングセーブXはSNグレードで販売
(前期型は説明書に「工場出荷時は5W-30を充填しています」の記載のみ)
●交換サイクル:1万5千kmまたは1年 (ターボ車は1万kmまたは1年)
(オイルフィルターも同じ交換サイクル、出典:ともに前期整備要領書)
オイル交換量(前期/後期 共通)
− |
ER34、HR34 |
ER34 |
ENR34 |
---|---|---|---|
オイルのみ交換 |
3.8L |
3.9L |
4.2L
|
フィルター同時交換 |
4.2L |
4.3L |
4.6L |
一般的には5千kmでの交換、フィルターは1万kmでの交換が好ましいとはされている。
オイル性能も年々進化しており、ホームセンター等で安売りされているオイルですら上記指定オイルのSAE規格でのSJ、SH品質を上回るSM品質を満たしている。いわゆる街乗り程度の用途であれば、このような5W-30粘度の鉱物油で必要にして充分な性能を得ることができる。ただし、これは日常ユースにおける最低限の状態維持を目的としており、ドリフトやサーキット走行などのスポーツ走行を行う個体においてはその限りではない。
オイルの品質はベースオイル+添加剤の性能に依存する。
鉱物油は精製された重油の一部を使用しているため、重油の産地によっては必ずしもエンジンオイルに最適な分子構造になっていないこともあるという。
化学合成油は用途に最適な分子構造を考慮して人口的に精製したオイルである。
したがって、基本的には「鉱物油<科学合成油」という性能の図式が成り立つ。(あくまで、基本的には、である)
エンジンを大事にしたい、長期間乗りたい、というユーザーには同粘度の化学合成油を、スポーツ走行ユーザーには高温側粘度(Wが付いていない後の方の数字)を高めにした化学合成油をオススメする。
特にオススメはMOBILE1 5W-40。
0W粘度オイルはこの年代の車種のピストンクリアランスから考えると柔らかすぎて悪影響が予想される。
低フリクションでの燃費寄与と高回転・高負荷時の保護性能をどちらも考えた場合、5W-40粘度の全合成油がオススメ。
ミッションオイル (マニュアルトランスミッションオイル)
●純正指定オイル:日産ミッションオイルMP-G HQ GL-4 75W-90
●ドレンプラグ締め付けトルク:25〜34N・m(2.5〜3.5Kg・m) (出典:ともに前期整備要領書)
オイル交換量(前期)
RB20DE |
RB25DE(2WD) |
RB25DE(4WD) |
RB25DET |
2.5L |
2.5L |
4.1L |
2.8L |
交換スパンは整備要領書にも記載なし。つまり、メーカーとしてはオーバーホールや不具合発生時等、分解整備時のみ交換すると考えている模様。
一般的には2年or2万kmごとの交換が好ましいとされるので、車検のタイミングで交換すれば手間が減る。
ATF (オートマチックトランスミッションフルード・オートマオイル)
●純正指定オイル: ニッサンマチックフルードD (DとCを混用するとトラブル発生の可能性大。要注意)
●ドレンプラグ締め付けトルク:30〜39N・m(3.0〜4.0Kg・m)
●交換サイクル:分解整備時(無交換)(ただし、悪路・登坂走行が多い場合は6万キロ) (出典:ともに前期整備要領書)
オイル交換量(前期)
RB20DE |
RB25DE |
RB25DET |
7.9L |
8.3L |
8.3L |
オートマミッションの内部で動力伝達・冷却を行っているオイル。
潤滑が主目的ではなくエンジンオイルほど汚れが進む部類のオイルでないことから、日産では(というよりはほとんどの自動車メーカーが近年まで交換を推奨していなかったオイルである。
交換不要としていた理由は主に異物混入によるオイルラインの目詰まり、それに伴うミッション破損を憂慮してのことと思われる。交換には特殊な装置が必要なこともあり、個人で交換することは不可能に近い。(抜き取りながら同量を正確に補充し続ける機構が必要)
近年では4年or4万km毎の交換を推奨していることが多いが、走行距離の伸びた個体では交換を断られることが多い。
これは長年堆積してきたオイルスラッジ(炭素カス)がATF交換に伴って一気に剥離し、油圧経路で目詰まりを起こすという事例を避けるため。
デフオイル (ディファレンシャルギアオイル)
●交換サイクル:分解整備時(無交換)(ただし、悪路・登坂走行が多い場合は6万キロ)
●純正指定オイル: 日産デフオイル ハイポイドスーパー GL-5 80W-90(デフ種類問わず)
●ドレンプラグ締め付けトルク:40〜58N・m(4.0〜6.0Kg・m) (出典:ともに前期整備要領書)
純正指定オイルはあくまでも純正状態(ヘリカル・トルセン・オープン)が前提。
スポーツ走行用に機械式デフを装着した場合は、それぞれのメーカーが推奨する粘度のオイルを入れる必要がある。
パワステフルード (パワーステアリングオイル)
●純正指定オイル: 日産パワーステアリングフルード (出典:前期整備要領書)
交換時は油温に応じてリザーブタンクのレベルゲージ(HOT/COOL)に合わせて注油する。
(HOT:50〜80℃、COOL:0〜30℃、30〜50℃は中間くらいで)
説明書には特にフルードの指定は無いが、整備要領書には指定フルードの使用が指示されている。
異種フルードの使用は故障を招くため使用は避けること。
特に、名前が良く似ているが「日産パワーステアリングフルードスペシャル」は使用できないので要注意。
(アテーサETS用フルードであり、成分・役割が異なる)
ブレーキフルード
●純正指定オイル: 日産ブレーキフルード No.2500 (出典:前期整備要領書)
説明書には特にフルードの指定は無い。
上記純正指定フルードがDOT3規格のため、量販店でも販売されているDOT4規格のものを使用しておけば問題はない。
DOT5規格はDOT4の上位互換のように思われているが、成分が異なるため継ぎ足し・混用はできない。
(成分分離により重大なトラブルが発生する可能性がある)
DOT5.1についてはDOT3/4と同じ系統の成分のため、交換は可能。 スーパーDOT4と呼ばれるものはDOT4とDOT5.1の間くらいの性能である。