電気系統
ヒューズボックス
画像はER34前期ターボのヒューズ配置表。
前期後期、ターボ有無などで配置が変わるかは未確認だが、通常は同一型式の中で変化は無いことが多く、おそらく同じものと思われる。
灯火類
ヘッドライトASSY
ヘッドライトASSYにはハロゲンタイプとキセノンタイプの2種類がある。
メーカーによって呼び方が違うだけで、キセノンはいわゆるHIDタイプだが、ハイビーム側はハロゲンである。
レベライザーは前期のみ装着(ハロゲン・キセノンともに)。
●バルブ規格
− |
ヘッドライト |
ヘッドライト |
クリアランス |
---|---|---|---|
ハロゲンタイプ |
12V 55W (H1) |
12V 60W (HB3) |
12V 5W |
キセノンタイプ |
12V 35W (D2R) |
12V 65W (HIR1) |
12V 5W |
前照灯の色については、黄色バルブの使用も可能。(平成17年以前生産のため)
キセノンタイプのハイ側バルブ「HIR1」は一般ではほとんど流通していない特殊な規格であるが、
PIAA製「HB」シリーズが使用可能。位置決め爪が互換性を持った形で生産されており、HB3,HB4,HIR1の各形状に適合するよう、違うサイズのゴムパッキンが付属する。市販のHB3タイプを小加工(爪・パッキンの切断)で流用することもできるが、気密性に難があり内側への漏水・曇りなどが懸念されるため、純正品もしくはPIAA製品への交換をオススメする。
ただし、「純正品=高額」のご多分に漏れず、純正HIR1バルブは片側で6000円を超える。(PIAA製品は2本セットで3500円程度〜)
フロントフォグランプ
ディーラーオプションとして設定されていたフォグランプ。
前期標準品・エアロフォルムバンパー(前後期とも)はバンパーが穴の開いた専用品に変更される。
(といってもディーラーで型紙どおりにバンパーをカットして黒い枠を取り付けるだけだが)
リフレクター一体型の特殊バルブを使用しているため、バルブのみの交換や社外品への交換は不可能。
後期型はいわゆる後付タイプで、バンパーの変更はない。
フロントターンシグナルランプ (フロントウィンカー)
純正指定バルブ:T20型 12V 21W
後期及びNISMO品はクリアレンズのため、オレンジの色つきバルブにする必要がある。
前期には後期GT-R・後期エアロフォルムバンパー用のクリアレンズが流用可能。
(一部加工が必要な個体もあるとのこと)
サイドターンシグナルランプ (サイドウィンカー)
純正指定バルブ:T10型 12V 5W
後期及び前期⇒NISMO製品に交換した場合、レンズがクリア(スモーク)になるため、オレンジ発光バルブに変更する必要がある。
NISMO製品には標準でオレンジバルブが付属するがオレンジ色に透けて見えるため、それがそれが嫌な場合はLEDバルブやシルバーコートバルブに変更する。
リアコンビネーションランプ (4ドア) (テールランプ)
寒冷地仕様(リアフォグ付き)はリバースランプが助手席側のみ点灯、運転席側がリアフォグ(赤色点灯)となる。
その場合、リアフォグ取り付けにおける法令上、内側のランプはテールランプ機能のみとなり、ブレーキ時に強点灯しない。これはストップランプとリアフォグの点灯エリアを11cm以上離す必要があるためである。 内側のストップランプ機能を殺すだけでなく、リアフォグ点灯エリアも制限する必要があり、通常仕様のテールランプASSYでリバース球を赤色球に変更、内側のストップランプ機能を殺しただけでは法令違反となる。この場合、外からテープを張っただけでは認められないケースが多く、ASSY分解して点灯エリア制限を行う必要がある。
ストップ/テールランプ:12V 21/5W(ツイン球)x4
ターンシグナルランプ:S25型 12V 21W
リバースランプ:T20型シングル 12V 21W x2(寒冷地仕様はx1)
リアフォグランプ:12V 21W (寒冷地仕様のみ)
リアコンビネーションランプ (2ドア) (テールランプ)
ストップ/テールランプ:確認中
ターンシグナルランプ:確認中
リバースランプ:T16型 12V 13W
リアフォグランプ:12V 18W (寒冷地仕様)
ライセンスプレートランプ(ナンバー灯)
純正指定バルブ:T10型 12V 5W
ハイマウントストップランプ
純正指定バルブ:12V 18W
マップランプ(前席)
純正指定バルブ:G14型 12V 8W x 2個 (サンルーフ付き車は1個)
マップランプはマイナスコントロールのため、後付製品の電源・ON-OFF信号を取る際は注意が必要。
マップランプはドアオープン連動しないが、ルームランプとグランド共用させることで連動が可能。 詳細は別記。
ルームランプ
純正指定バルブ:T10x31型 1個 12V 10W
ルームランプもマイナスコントロールのため、後付製品の電源・ON-OFF信号を取る際は注意が必要。
グローブボックスランプ
純正指定バルブ:12V 1.4W
トランクルームランプ
純正指定バルブ:T10型 12V 3.4W
鍵(イグニッションキー)
前期は3本、後期は2本のキーが用意される。
前期:リモコン付マスターキー、マスターキー、サブキー
後期:リモコン付マスターキー、マスターキー
前期のみ用意されるサブキーはトランクの解錠ができない。そのため、トランクオープナー(運転席右下のレバー)によるトランクオープンを解除すると、サブキーではトランクが開けられなくなる。
有人駐車場では貴重品をトランクに入れてサブキーのみを管理人に渡すよう前期説明書には書いてある。
ちなみに、オープナー解除はトランクキャッチの中にある解除バーを動かすことで可能になる。
リモコン付きマスターキーは生活防水加工が施されてはいるが、完全防水ではないため注意が必要。
電池交換はリモコン部のネジ1箇所を外し、カバーを外せば個人でも可能。 (電池の種類は説明書には未記載)
点火系
ER34はダイレクトイグニッションシステムを採用。ディストリビュータが存在せず、点火プラグ直前のコイルで点火信号を発生させる。そのためいわゆるプラグコードは存在しない。このシステムは電圧ロスが少ない、ディストリビュータのような機械的磨耗が無い、等のメリットが多く今では軽自動車に至るまでほとんどの自動車で採用されている。(ちなみにシステムが日本で初採用されたのはR31スカイラインのRB20である)
しかし、発熱量の多いRB25においては熱害による故障が多く、R34スカイラインにおいては非常に有名な弱点のひとつである。車体の中古購入時に無償交換することを謳っているショップも多い。
熱が溜まりやすい一番奥側のコイルが壊れることが多く、故障すると1気筒点火しなくなるためクランクの回転バランスがおかしくなり異常な振動が出る。排気音も昔の水平対向エンジンのようなドロドロした音(通称ボクサーサウンド)になる。
また、点火されていない気筒にもガソリンは噴射されているため、未燃焼ガスが非常に増大。排気は恐ろしくガス臭くなり、マフラーからも黒鉛が多く出る。
ディーラーでの修理では6本同時交換が基本でありそこそこの出費となるため、故障を機に社外品への交換をするユーザーが多い。(社外品の方が安い)
この場合、交換して余った正常な5本をオークション出品しているオーナーも多く、それらを安く入手し交換するのもひとつの手段である。
(筆者は社外品に交換した知り合いから5本譲ってもらった)
本症状の未然対策としては、エンジンカバー(いわゆるネオ6カバー)の撤去が定番である。(熱溜まりへの対策)
ただし、プラグカバー(カムカバーの間にある黒い部分)の撤去は推奨しない。
黒カバーはプラグホール付近へのゴミの落下等を防ぐ役割があり、これが無いとプラグ交換時にプラグホールにゴミが落下することがあるため。
社外品定番:Splitfire Super Direct Ignition System
バッテリー
MT車:XXB19R (新車当時標準は38B19R)
AT車:XXB24R
4WD:XXB24R
MT車通常仕様の標準装備は38B19と、車格の割には小さめのバッテリーが装着されている。
AT車・寒冷地仕様はB24サイズの大きなバッテリが装備されているため、通常車でもバッテリー下の受け皿だけ大きなものに変更すれば、B24サイズまで装着できる。
ただし、筆者個人としてはバッテリーの大型化はオススメしない。
バッテリはかなりの重量があり、オーバーハングの重量増加による運動性低下は避けられないためである。
近年ではサイズアップなしに容量を増加させた高性能バッテリー(Panasonic Caosシリーズ等)が販売されているため、そちらへの交換が好ましい。
特にAT車では容量アップにより、B24⇒B19への小型軽量化が可能になるためオススメしたい。
より安価に済ませたい方には標準バッテリーを。
バッテリの寿命については諸説あるが最大で2年程度と見て、それ以降はマメな電圧チェックを。
また、バッテリーは極端な温度変化に弱いため、保護カバーを付けることをお勧めする。